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プロスキーヤー・小野塚彩那がアスリートとして母としての葛藤を描く映画「MOMENTAL」が全国で公開

新潟県出身のプロスキーヤー小野塚彩那。塩沢町(現・南魚沼市)に産まれ、2歳からスキーを始めた彼女は、アルペンスキー、スキー技術選ともにトップ選手として活躍。2011年にハーフパイプに転向し、W杯総合優勝、エクストリーム系スポーツの最高峰X-GAMES準優勝、世界選手権では金メダルを獲得するなど世界の頂点を極めた。現在はフリーライドスキーに転向し、日本人女子として初めてFreeride world Tourに出場。

2020年に息子を出産した後も挑戦を続けている彼女だが、これまでと同様、最前線での活動を継続しながらの育児をする中で体力の低下、睡眠時間の減少、育児ノイローゼを経験。出産、育児と並行することで、プロスキーヤーとして全力でスキーに向き合える時間は少なくなった。

これまでスキーと共に成長してきた彼女は「アスリートとしての自分と母として自分」に葛藤し、次第に「キャリアと育児との両立」を考えるようになった。

小野塚さんのモットーは、「やって後悔するか、やらずに後悔するか」。プロスキーヤーとしての活動、育児に全力で向き合う彼女は、これまでの経験からスキーを通して両立への想いを体現することを決意。「女性は、母親になると何かを諦めなければいけないのか?」。同じような葛藤を持つ女性に向けて、ドキュメンタリー映画「MOMENTAL」を制作した。

「MOMENTAL」というタイトルには「MOM-母-」、「MENTAL-気持ち-」「MOMENTAL(現在)」という意味が込められている。

2年前から構想をしていた本作。1年間、山を舞台に彼女がプロスキーヤーとして挑戦する様子と育児に向き合う姿を撮影した。新たな壁に挑戦する等身大の彼女を写した映画になっている。

今回制作された「MOMENTAL」のテーマである、キャリアとのライフイベントの両立は、女性にとっては、これまでもこれからも多くの課題が残る問題だろう。出産による体力の減退、常に子供のことを考えている母親としての自分、育児の中で発生する課題、自分のキャリアを積みたいという反面、湧き上がる挑戦し続けることへの不安。

それは女性だけでなく誰もが抱える問題でもある。本作では山岳エリアに立ち向かう彼女の気持ちと家族の応援する姿を映し出しているが、葛藤しながらも前に進み続ける姿は、女性、男性、スキー経験者でも経験者ではなくても、様々な人が自分と照らし合わせて観ることができるのではないだろうか。なにより家族がお互いを大切にしている様子や、キャリアと育児の両立に悩みながらも挑戦し成長し続ける姿に感じるものがあるはずだ。

小野塚さん初のドキュメンタリー映画「MOMENTAL」ではストーリーはもちろん映像の美しさにも注目したい。そして迷った時、何かに挑戦したい時、岐路に立った時など何度も見返したくなる作品になるはずだ。

映画は全国で上映後、vimeoでも販売される。

上映会は東京、大阪、新潟で行われ、11/15は小野塚さんも参加、トークセッションが開催される予定だ。

INFORMATION

上映会スケジュール
11/15 18:30〜 ユーロライブ @渋谷 ※トークセッション開催予定
11/29 18:30~ THE NORTH FACE Mountain @原宿
12/06 18:30~ THE NORTH FACE Horie @大阪
12/22 18:30~ 石打丸山スキー場 @新潟
上映チケット販売中 ¥2,500-(税込)
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上映終了後にオンデマンド販売を開始。
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PHOTO:1. Go Ito /2.Yuta Watanabe(Denpa Inc.)

金子
金子
SNOW HEAVEN編集部員。旅行、寺社仏閣、祭り、伝統文化をこよなく愛する。編集部内では珍しいスキー派。

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