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自然と共に歩む「糸魚川シーサイドバレースキー場」の持続可能な挑戦

「地球には冬が必要だ」をスローガンに掲げ、気候変動から雪を守る活動に取り組むPOW JAPAN。最近では、持続可能な運営を目指すスノーリゾートと、その実現をサポートする企業や個人のスキーヤー・スノーボーダーを繋ぐ「サステナブル・リゾート・アライアンス」を発表しました。そんな中、新潟県でいち早く加盟し話題となったのが、糸魚川シーサイドバレースキー場。今回のインタビューでは、代表取締役社長の吉田さんに愛すべきローカルスキー場への思いを伺います。

株式会社糸魚川シーサイドバレー 代表取締役社長:吉田 祐介
糸魚川市出身。学生時代にシーサイドバレーでアルバイトを経験し、大学進学で上京。都内で30年近く会社員として働いた後、新潟へ帰郷し現在に至る。

まずは、糸魚川シーサイドバレーの魅力を教えてください。
まず何と言っても、このスキー場の魅力は日本海が一望できる景色ですね。アクセスも良くて、車ならインターチェンジから降りて20分ほどで到着します。厳しい峠もないので、冬でも安心だと思いますよ。そしてやっぱり、素晴らしい温泉があることですね。
温泉、すごくあったかくて滑らかなお湯でした!
とにかく入ってもらえばすぐに良さがわかるんですが、お湯は炭酸水素塩泉で美人の湯とも言われています。
宿泊もできるとか?
ホテルというよりはロッジのようなアットホームな雰囲気です。いつもキレイに整理整頓するなど、心のこもった運営を心掛けています。海からも近いので、地元の美味しい海産物を楽しんで頂いたり、他にも町へ出掛ければ、地元の居酒屋や食事処で糸魚川市ならではの食を楽しめると思います。
スキー場も温泉も食も、たくさんの方に味わって頂きたいですね!今回、POW JAPANのサステナブル・リゾート・アライアンスに新潟でいち早く加盟されましたが、以前から活動はご存じだったんですか?
スキー場の仕事に携わるようになってから、3年くらい前にネットで初めてPOWを知りました。当時はまだ社長ではなく、ただ単に興味を持って見ていましたが、彼らが行っている取り組みは本当に素晴らしいと感じ、注目していました。
環境とスキー場って密接な関係性ですもんね。
自然の恩恵を受けてやっている産業だからこそ、自然を守るというか。これだけ電気を使っているのでもっと環境を意識した経営をしないといけないと思っています。特に若い世代の方々は、そういう環境の問題について小学校の頃から教えられていると思うんですね。それで、スキー場を選ぶ時にどう選んでいくかってなったら、恐らくその中には、環境を意識しているところを選ぶという選択も出てくるんじゃないかなと。
そんな思いと、今回のサスティナブル・リゾート・アライアンスの思いが合致したんですね。
そうですね。常にアンテナを張って差別化していかないといけないし、こういう姿勢で経営しているというのを知ってもらえるいい機会だと思いました。今は同じ方向を目指して加盟して、色んな活動をシェアしてもらったり、もっと体力が付いたら今度は私たちが積極的に支援できるようになって行ければいいなと思っています。今まで数年間思ってた事とPOWさんの活動の方向性が一緒で、共に歩んでいくパートナーみたいな感じですね。
現在の持続可能なスキー場のための取り組みについて教えてください。
再生可能エネルギーへの切り替えを進めています。現状としては使用電力全体の10%を再エネで稼働させていますが、頑張って5年後には再エネ100%を目指しています。あとは天然雪ですね。やはり人工降雪機があれば安定するので、お客さんもいらしてくれるかもしれないですが、水や電気を大量に使ってしまう。うちはそんなに大きいスキー場でもないので、天然雪だけにこだわって営業しています。その分、雪が少なかったら申し訳ないですけど、代わりに温泉に入ってもらったり、糸魚川の海鮮ですね。今ならあんこう祭りがありますが、そういったことも楽しめるような施設に変えていけたらいいなと思っています。
滑り手としても、そういった取り組みを応援していきたいです。大学からずっと新潟を離れていた吉田さんですが、帰ってきた地元はいかがでしたか?
改めてこの山を見て、すごいところに住んでたんだなと(笑)。でも、ここで生まれて良かったと思いました。子供の頃は当たり前のように自然の中で遊んでいて、色々な生き物がすごく身近にいました。だからこそ生き物や自然の大切さに気づくことができたというか、素敵な子供時代を過ごさせてもらったなと思います。
海も山も近いこの最高のロケーションにいるだけでも、心洗われますね。
本当にモノが進化してるので、パソコンがあればこっちに居た方が仕事しやすいと思いますね。都会の方、とりわけ関東の方にもゆっくり滞在して仕事をして欲しいという思いもあって、お部屋の設備を整えて、市が企画する親子ワーケーションを年に3回、受け入れています。1週間親御さんはホテルでリモートワーク、お子さんは地元の小学校へ体験留学できる取り組みですね。冬はスキー授業も受けることができるので喜んでもらっています。

地元の魅力を存分に伝えながら、持続可能な運営に向けた取り組みを進める糸魚川シーサイドバレースキー場。サステナブル・リゾート・アライアンスに加盟し、再生可能エネルギーへの切り替えや天然雪の活用など、環境への配慮を進める一方、地元の豊かな自然や食を楽しむための施設づくりにも力を入れていて、親子ワーケーションの企画など、地域との結びつきを深めています。ぜひ、スキー場レポートも合わせてチェックしてみてください!

神田
神田
SNOW HEAVEN 編集部
趣味はサーフィン。2019年に湘南から新潟に帰郷しスノーボードを始める。ニックネームはきゃんだ。BEST BODY JAPAN 2018 新潟大会優勝。お酒が好きだが失敗が多い。
【糸魚川ICからアクセス抜群日本海が一望できる絶景のスキー場】眼前に頚城駒ヶ岳・百名山の雨飾山、後方を白馬連山に囲まれた天然雪100%のスキー場。新潟県の最南端にあり、ゲレンデ山頂からは日本海が一望できる。ゲレンデは、リフト5基・11のバラエティー豊かなコースから構成されており、初級者から上級者まで充分満足できるレイアウトとなっている。手ぶらで楽しめるほど充実したレンタル用品と、第一リフト奥にはソリゲレンデも完備しているので、初心者やファミリーにもおすすめ。アフタースキーは日帰り入浴が可能なホテル内の「塩の道温泉」で身体も心もポカポカに。肌がツルツルになる美人の湯としても人気。
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