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「南魚沼収穫祭」イベントオーガナイザー「Soil Works」に迫る

昨年、石打丸山スキー場で開催された「南魚沼収穫祭」。展望テラスからの絶景を背景に行われたライブやショップの出店などローカルにフォーカスした内容が話題を呼んだイベントは、今年さらにグレードアップして開催される。今回はイベントオーガナイザーの「Soil Works」代表貝瀬さんに「南魚沼収穫祭」について話を聞いた。

貝瀬智大
1991年新潟県南魚沼生まれ。地元の金融機関での勤務を経て、23歳で上京し音楽業界でアーティストの全国ツアーや野外フェスの企画制作などに携わる。2020年、農業レーベル「Soil Works」を立ち上げる。2021年南魚沼へUターンし、米農家とSoil Works のプロデューサーとして活動中。

ブランド米のプロデュース、動画制作、イベントなど農業を切り口にコンテンツを展開する、南魚沼発の農業レーベル「Soil Works」。具体的にはどのような活動をされているんでしょうか?
南魚沼産コシヒカリをプロデュースした「然然(しかじか) 」というお米を販売をしていたり、「南魚沼収穫祭」というイベントの企画、制作、運営、川のゴミ拾いをする「南魚沼リバークリーン」という活動を不定期でやったり、あとは「Soil Works SHIN-BUN」というフリーのイシューを作っています。基本は南魚沼中心に置いていますが、今後はもっと広げていきたいなと思っています。前回の収穫祭の特集号は県内全域や、都内のライブハウスとかにも置いていましたね。
企画や制作などは全てチームで行なっているのですか?
そうですね。今メンバーは、東京に3人、新潟に5人。企画、プロデューサーみたいな立場で立ち上げから入る僕の他に、デザイナー、映像ディレクター、ライター、カメラマン、ウェブエンジニア、ビートメイカー、クリエイティブ全般をワンストップでできるチームでやっています。ありがたいことに映像の制作、ウェブサイトやロゴの制作などのお話をいただいてクライアントワークとしての業務もあります。
結成のきっかけを教えてください。
結成は2020年6月。僕は当時東京で働いていて音楽イベントの業界にずっといたんですけど、コロナ禍で仕事がなくなっちゃって考える時間がすごくあったんです。そこで地元に何か貢献できる活動をしたいなって思った。その時、周りに地元も同じでクリエイティブに携わる仕事をしている友達がたくさんいたので、みんなが集まったらきっと面白いことができるだろうって思ったことが一番最初の入り口ですかね。
雪や自然が豊かな南魚沼は、スキー場もあってファンも多い土地ですよね。貝瀬さんは東京に住んだからこそ気づいたことや、新潟に帰ってきて生活や環境の違いをどう感じていますか。
南魚沼は都会と真逆な場所なので、それがすごいいいなと思ったしお米もお酒も美味しい。スキー場が市内に沢山あるのでスノーボードも気軽にできる。地元の友達もいるし、フジロックフェスティバルの会場も近い。一度地元を離れたからこそ恵まれた環境だなと実感しています。雪は沢山降るけど、除雪がしっかりされてるので思っているより冬も暮らしやすいんです。

また満員電車に乗らなくてよくなったことで心のゆとりができた気はしますね。通勤で体力の半分くらい使っちゃうみたいな感じがなくなった分、仕事の質は上がったんじゃないかなと思っています。あと僕はすごくスノーボードが好きなんですよ。仕事をする前にファーストトラックで1時間くらい滑ったりとかが気楽にできるのはすごくいいところですね。近くには、舞子リゾート、上越国際スキー場、石打丸山スキー場、シャトー塩沢スキー場があって、子供の頃はよく石打丸山スキー場に滑りに行ってました。
収穫祭はどのようなイベントですか?
南魚沼を中心に県内各地のローカルカルチャーが集まったイベントです。僕らはローカルカルチャーフェスティバルって言ってるんですけど、地域に根ざした様々なカルチャーに加えて、音楽やアートなど、様々なコンテンツがミックスされたお祭りにすることで、縁もゆかりもなかった人が、その地域のことを知る機会になったり、なんなら好きになってもらえるかもしれない、そういう空間を作りたいと思っています。今後、人口がどんどん減っていく中でも、持続可能な地域を作っていくために、イベントを通じて町のことを知っている人や好きになる人が増えていったら地元に来る人も増えるだろうし、そのためのきっかけに収穫祭がなったらいいなと思っています。関係人口が増えればそれは今後も継続して発展していける町になっていくんじゃないかと思っていて。

まずは地元の人に沢山来ていただきたいっていうのがありつつ、ゆくゆくは全国各地いろんなところから来てほしい。地方に面白いコンテンツが現れて、そこに都会から人が集まってくるみたいな、逆輸入的な形に最終的になったらいいなと思ってます。
いつごろから構想されていたのですか?
何となくいつか地元でイベントをやりたいというのは5〜6年前から思っていました。具体的に考え始めたのは、2022年2月とか3月ぐらい。会場を探してたら、ちょうど石打丸山スキー場が夏営業を始めるタイミングで声をかけてくれて。名前はわかりやすく、新米の時期で秋っぽい、かつ一言で言える「収穫祭」になりました。
前回の開催では、お客さんの反応はいかがでしたか。
反応はすごい良くて「来年も絶対行きます。」「地元の南魚沼に今は住んでいないけど、自分たちが育った場所でこんな最高のイベントをありがとうございます」とかポジティブなメッセージをたくさんいただきました。石打丸山周辺の方たちも「めちゃめちゃいい祭りだった」って言ってくださって。イベントは地元の先輩の力も借りたりとか、ローカルみんなで作っていくっていう感覚が強い。お客さんの層としてはゲストにラッパーが多かったこともあり、10代後半〜20代の若い子たちが多かったです。
石打丸山スキー場を会場にした理由を教えてください。
魚沼平野の抜け具合はすごくよくて。あの景色を見られるスキー場は石打丸山スキー場しかないと思います。あの景色をバックにステージを組んだら最高のライブになる確信があったんです。今年はレベルアップしたステージになる予定なので、そういうところのアップデートもあるかな。
今年も第2回目の開催が決まりましたが、前回から変わる点はありますか?
前回を踏まえていろんな課題が見えてきました。今年大きく変わる点としては、ゴンドラに乗らなくても楽しめる完全無料エリアが登場します。リゾートセンターや、スキー場の駐車場、ゴンドラ乗り場前の広場などを活用して、ライブステージ、アートギャラリー、DJブース、マーケット、フード、スケートランプ、テントサウナブースなどコンテンツが盛り沢山になる予定です。ゴンドラに乗らなくても楽しめることで、より多くの人が遊びにきてくれるイベントになったらいいなと思っています。昨年はSoil Works だけで出店者を募っていたのですが、今年は県内のいろんな方々に出店のキュレーションをお願いしています。完全無料エリアには各キュレーターのエリアがいくつもできるイメージです。僕らだけだとどうしても手が回らないところがあるので、同じ熱量で楽しんで協力してくれる皆さんには本当に感謝です。全体では協賛ブースも含めると50ブース近く展開する予定です。もちろん、ゴンドラで上がったエリアもコンテンツ盛りだくさん。メインステージがありますし、DJブース、焚き火エリアにフード、シーシャブースも展開されます。石打丸山スキー場のテラスも最高なのでいい空間になると思います。
前回はローカルの出店が多かった印象ですが、今回はどんなブースがありますか?
今回は地元の出店者に加え、県内各地から様々なお店が集結します。キュレーターのみなさんのご協力のお陰で多様な出店者が集まっています。地元のイベントだとどうしてもいつも同じ顔ぶれになりがちだと思うんですが、今年は初めて南魚沼で出店するお店も沢山あるので、きっとマーケットを覗くだけでも楽しいと思いますよ!
ライブはどのようなキャスティングになっていますか?
ラッパーを軸に、南魚沼という土地でかまして欲しいアーティストにお声がけしました。魚沼エリアは雪山が近いし、スケートパークもあってストリートカルチャーが根ざしているので、必然的にHIP-HOPがよく聞かれているんですよね。そういった地場のカルチャーを反映する意味でも、C.O.S.A.さんやSkaaiさんなど勢いのあるラッパーにまずはお声がけさせていただきました。showmoreさん、Emeraldさんは魚沼平野をバックに聞けたら最高なバンドだと思ったし、東京時代のご縁もあったりして。また、地元新潟にゆかりのアーティストに出演してほしいという思いがあって、新潟出身のSam is Ohmさん、Kick a Showさん、Sahnyaさんにお声がけさせていただきました。Ohmさんは3年前に渋谷のパルコで然然のPOP-UPをやった際にもDJで出ていただいていて、またご一緒できて嬉しいですね。E.sceneさんは本当に好きなバンドで、今年も進化した姿をまた収穫祭で見せてほしいなと思っています。
イベントの楽しみ方はありますか?
山麓エリアとゴンドラ上エリアを行き来しながらオープンからクローズまで遊び倒し欲しいですね。メインステージのライブ間隔を1時間半近くとる予定なので、全部のライブを見ることができるタイムテーブルになると思います。マーケットやフード、その他にも沢山コンテンツを用意するので、見たいライブまではDJの音楽に揺られながら美味しいご飯とお酒を楽しむのもいい。あと今年は同じ日程に舞子スキー場で開催される「YUKIGOI OUTDOOR MARKET」ご協力のもと、キャンプも楽しめます。舞子スキー場はサイトも広いし、温泉もあるんですよ!キャンプサイト券とゴンドラ乗車券がセットになったお得なチケットも販売します。日中は収穫祭を楽しんで夜はキャンプ。翌朝はYUKIGOI OUTDOOR MARKETを楽しんで帰路に着く。なんて楽しみ方もできると思います。

INFORMATION
WEB:https://soilworks-jpn.com/shukakusai/
Instagram : https://www.instagram.com/soilworks_jpn/?hl=ja

金子
金子
SNOW HEAVEN編集部員。旅行、寺社仏閣、祭り、伝統文化をこよなく愛する。編集部内では珍しいスキー派。
金子
金子
SNOW HEAVEN編集部員。旅行、寺社仏閣、祭り、伝統文化をこよなく愛する。編集部内では珍しいスキー派。
【進化し続ける老舗スキー場!】抜群のアクセスと、とにかく広い絶景ゲレンデが愛され続ける70年以上の歴史を持つ老舗スキー場。山頂から扇状に広がるゲレンデはバラエティに富んだコースレイアウトで、初級者から上級者まで楽しめる。最新鋭のゴンドラや、スキー場に必要な機能をワンストップで提供するリゾートセンターも登場し、ビギナーやファミリーでも利用しやすい。20-21シーズンからは、スキーを履かなくても楽しめる新スポット「スノーガーデン」もオープン。魚沼平野と越後三山の雪景色を一望する絶景の中、手軽に雪上グランピングが楽しめるほか、この冬はエリア最大級の展望テラスも登場するなど、オシャレなカフェやアクティビティも充実していて、誰でも手軽に天然雪を楽しめる。
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