石打丸山スキー場 営業企画部 勝又 健さんへのインタビュー第2弾!ノンスキーヤーのためのかまくら型「ドームテント」と、国内トップクラスのコアスノーボーダー向け「スノーパーク」。一見、相反するように見えるこの2つのコンテンツ…実は石打丸山スキー場ならではの体制が不可能を可能にしていた!?
石打丸山スキー場と言えば新しい魅力となっている「ドームテント」ですが、そもそもその発想と課題は何だったのでしょうか?
石打の中腹からの眺めは素晴らしく、ノンアクティブ層のお客様に対しても集客アプローチしたいという気持ちがありました。しかしご存知の通り、このエリアは豪雪地帯。まず直面した問題がドームの排雪作業でした。当たり前ですが、ドームテントを設置すればその周りに雪が積もってしまいます。この雪をどうするか?これが最初の課題でした。そんな中この問題をクリアしたのが、パーク技術に定評があったディガーチームだったんです。シーズン中は大量の降雪があり埋没したレールなどのジブアイテムを掘り起こす作業をしています。そんなディガーの排雪能力や圧雪車を操る能力は、パークを運営しているスキー場とそうでないスキー場とでは大きな差があります。石打は昔からパークをやってきたのでディガーの能力はかなり高い。その結果、ドームテントの際ギリギリでも圧雪車を使って排雪できるなど、通常では相当困難なオーダーもいとも簡単にこなせたんです。ドームテントプロジェクトの最初で最大の課題を「パークの石打」という点で解決出来たのは面白かったと思います。
では、精鋭揃いのスタッフが手塩を掛けて整備するパークについて教えて下さい。
その昔、オペレーター(圧雪車でパークを造成するスタッフ)は通常の斜面を圧雪するスタッフだったので、ゲレンデが最優先でパークは後回しでした。その後月日が経ち、当時一緒にやっていた腰越さんが会社(Snowcase Design)を立ち上げた経緯もあり、現在では彼の会社に外注をしています。やはり毎年安定したクオリティを維持するためには、外注がいろいろな意味でリスクが少ないのでパーク管理業務委託という形になりました。現在では、パーク専属のオペレーターと圧雪車でメンテナンスを行っています。同じような方法を実施している他のスキー場さんでもそうだと思いますが、現在のような理想的な形に作り上げるのは相当険しい道のりでしたね。
専用チームを外注にすることで、結果的にどのような効果を得ているでしょうか?
好きな時間帯に圧雪車を動かせるというのはかなり大きいですね。ディガーの人数も半分ほどに抑えることができます。昔はハンド(手作業)で行っていた部分を出来るだけ機械に移行することで、作業効率は飛躍的に上がりました。もちろん各スタッフのレベルも向上したという点もありますが、今では朝のパーク作業がほぼハンド無しでオープンできる日もあるほどです。
最後にイベントについて教えてください。
最近は、ディガーの若いスタッフが主体になってイベントを自発的に企画している雰囲気です。やはり本人達がやりたい内容であれば、やらされているよりも圧倒的に良いものができますし、そういった若い人の考えを尊重してあげられるように社内を調整することが私の役割でもあります。2022年4月に初開催した一大イベント「SHARE」は、ボウル、バンク、キッカー、ヒップ、ジブ、ウォールなど、パークアイテムのありとあらゆるアイテムが勢揃いしました。スキー場からのリクエストは特になく、本当に好きなようにやってもらった結果です。天気にも恵まれて良いアイテムで皆さんに楽しんで頂けた事はもちろん嬉しいですが、若手から「何かやりたい!」と自発的に発想してくれた点も個人的には嬉しかったですね。 こういった流れを大切に、これからもコアなスキー、スノーボーダーはもちろん、ノンスキーヤーの方にまで幅広く楽しんで頂けるスキー場にしていきたいと思います。